DESIGN PROCESS

練馬区関区民施設

CLIENT 練馬区
LOCATION 東京都練馬区
TOTAL FLOOR AREA 3,646㎡
STRUCTURE SRC造 地下1階、地上3階

区役所出張所、ホール、高齢者センターからなる複合建築である。
狭い敷地に異なる用途の3施設を繋ぎ安全で魅力有る空間を提案した。敷地の外部環境は住宅密集地であり、敷地の中央には公道が走っていた。この道路を廃道にし、かなりのボリュームとなる区民施設を創る計画となった。ここにかつて道が有り、人々が往き来きした事実は建物によって分断されるではなく、通り抜けの理念として残さなければならない。

計画では出張所と高齢者センターを無柱空間のエントランスで結び、この上にブリッジをかける事により、通り抜けの思想を生かすこととした。
このブリッジは2階梁と3階梁とで構成され、1層分の梁せいを持つフィーレンディールと呼ばれるトラスが提案された。フィーレンディール2組でボックス状のシリンダーを形成し、高齢者施設をこのボックスシリンダーの中に入れ、1層分の梁せいを持つフィーレンディールの梁中を空間利用することにした。

ボックスシリンダーはわずか65cmの柱、梁で構成されおり、建物形態は機能を形にした合理的な構造で成り立っている。敷地東側に大きく張り出した2個のボックスは浮遊感と共に半屋外的で解放的なスペースを区民に提供する。更にボックス下のサッシは完全開閉可能の折畳み式となっており、ある時は外部空間又ある時は内部空間へと変化する。高い剛性と強度を誇るこの建物は竣工後20数年経過した今でもその美観を保ち、クラックの無い外観を保持している。